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ドードーの意識は2つあるのか(ドードリオの「私」に関する問題)

ゲーム

ポケモンGOをしている。いまのところレベル17、最高CP807で、たいしたやり込みはないけどそれなりに楽しんでいる。

で、例によってドードーばかり出てくるのを見ていて気になることがあって。彼らの意識は2つあるのだろうか?*1

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ポケモンずかんでの記述

まずポケモンずかんを参照した。バージョンによって異なるものの、以下の様な記載がある。

2つの あたまは おなじ のうみそを もつ。 まれに べつべつの のうを もった ドードーが うまれてくると けんきゅうで ほうこくされた。

(サファイア)

2つの あたまの のうみそは テレパシーのような ちからで きもちを つうじあわせているらしい。

(ダイヤモンド・パール・プラチナ、ブラック・ホワイト、ブラック2・ホワイト2、Y)

まず、サファイアの記述「2つの頭は同じ脳を持つ」と、ダイヤモンド等の記述「2つの頭の脳はテレパシーのような力で通じ合う」に矛盾があるように感じる。しかしサファイアの記述に「まれに別々の脳をもったドードーもいる」との記述があるので、ダイヤモンド等の記述はその「まれなドードー」のことについてのものであると考えられる。

 つまり、「基本的にドードーの脳はひとつだが、まれにふたつの脳をもったドードーが発生し、その場合、それらの脳はテレパシー(のようなもの)で意思疎通をとっている」ということになる。

 

脳がひとつのドードー

基本的なパターン「脳がひとつのドードー」を考えてみる。脳はひとつであるが、少なくとも目はひとつの頭にふたつずつついているし、口もそれぞれについている。ルビー版ポケモンずかんの記述によると、それぞれの頭の目はきちんと感覚器官としての役割を果たしているらしい。脳がどこにあるのか、という問題はよくわからないので置いておく。

2つの あたまが どうじに ねむることは ない。ねている とき てきから おそわれない ように かわりばんこで みはりを しているからだ。 

(ルビー)

これは単に目が4つある一個体の生物と考えることができる。現実の世界にも目が3つある生物が存在するらしいし、不思議ではなさそう*2。おそらく我々のような2つ目の生物とはまったく異なる視覚を持っていると思われるが、意識はひとつだけであると思われる。

 

脳が2つのドードー

次に、まれに生まれてくる、脳が2つのドードーだ。 その場合、2つの頭はテレパシーで意思疎通を測っているとのことなので、単純に意識も2つあると考えるのが妥当そうである。

これは一個体の生物というよりも、どちらかと言うと二個体の生物がなんらかの原因で結合して生まれてきたものではないだろうか(ベトちゃんドクちゃんのような結合双生児)。結合して生まれた結果、なぜかテレパシーでの意思疎通が可能になったのだろう。ちなみに人間の四肢結合双生児の場合、2人がそれぞれ手足の片方ずつを動かせたという事例があるらしく、ドードーの場合もテレパシーで意思疎通をしながら、右足と左足をそれぞれの頭が操っていたのかもしれない。

 

ドードーまとめ

とつぜんへんいで みつかった ふたつの あたまを もつ ポケモン。じそく 100キロで はしる。

(赤・緑、ファイアレッド、X)

 ドードーは「突然変異」で生まれたポケモンであるが、その「変異」には2種類あるらしい。

  • 一個体の頭が2つに分裂する突然変異
  • 二個体の胴体が結合する突然変異

前者の場合は意識は1つ、後者の場合は意識は2つであると思われる。

 

ドードリオ

ドードーについて考えてみた以上、その進化*3した姿であるドードリオについても触れてみなければならない。

ドードリオのポケモンずかんには以下のような記載がある。

しんかのときに ドードーの あたまの どちらかが ぶんれつした ちんしゅ。じそく 60キロいじょうで はしる。

(ダイヤモンド・パール・プラチナ、ブラック・ホワイト、ブラック2・ホワイト2)

ドードーのふたつのあたまのどちらかが分裂したのがドードリオというわけである。なぜか進化してるのに足が遅くなっているが、きっと頭が増えて身体が重くなったからだろう。

とりあえず、さきほどのドードー2種類それぞれについて考えて見る必要がある。

 

「一個体の頭分裂型」ドードーが進化した場合

こちらは単純である。もともと意識はひとつで頭が分裂していただけなのが、さらに分裂しただけである。ただ、目の数が4つから6つに増えている*4ので、進化した途端これまでとはまったく違う視覚体験にさらされることになるのは若干不憫である。

 

「二個体の胴体結合型」ドードーが進化した場合

この場合、ドードーの2つの頭はそれぞれ意識を持っている。分裂する頭からすると、ドードリオへの進化は自分の脳が分裂することにほかならない。

分離脳というものがある。かつて「てんかん」患者の治療として、人間の右脳と左脳をつなぐ脳梁を切断する手術が行われていたことがあり、その結果生じていた現象である。どういうものかはwikipediaさんに預けるが、右目と左目で見ているものが右脳と左脳の間で連携されず、その結果、「目で見ているものを触ることができるが、その名前を言うことができない」というような現象が起きてしまうというものである。しかもその状態でも治療を受けた患者は普通に生活をできていた。つまり、右脳か左脳かどちらかに自分の意識が属していることになる*5

それを思考実験として展開したときに、「寝ている間に左右に身体をぶった切って別の場所に持って行った時、目が覚めたら自分はどこにいると感じるのだろうか」という問題が発生する。

ドードーからドードリオへの進化についても同じことが言えるとすると、進化して自分の頭が2つに分裂したとき、「進化する前のドードーの意識(私)は、進化後、どれかの頭に属している」ことになる*6。その場合、進化後に発生した頭はどうなっているだろう。ポケモンずかんによると3つの頭はそれぞれ感情を持っているらしいが、それが意識を持っているかどうかの判断にはならない。となると、「私」と同じように見えて実は自我の無い、哲学的ゾンビになってしまう。哲学的ゾンビと「魂」の問題についてはググってみてください。

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いや、そんなことはない、ドードリオの頭はそれぞれが「こうどな さくせんを ねる」事ができる。それは意識にほかならない、とすると、「私」が2人になることに等しい。この2人はそれぞれ同じ記憶を持ち、同じ思考をする。「自分はかつてドードーだった」という意識を持っている、非常に気味の悪い状態になっている。だが2人は胴体を共有しているため離れることができない。「オレとあいつと、どっちが本当の自分なんだ」という疑念を抱えたまま生きていくことになるのがドードリオなのだ。

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 蚊帳の外なA

 

ドードリオの強さ

ドードリオ(の片方の頭)は「横にいるこいつは一体誰なんだ」という不安を常に持ったまま生きていく。そんな不安を抱えながら「3つの あたまで こうどな さくせんを あやつる」ことができる精神力は凄まじい。その心の強さに敬意を表して、強く育てていきたいものである。*7

 

とりあえず

ポケモンずかんは各バージョンで設定を揃えてくれ。

 

参考

 

*1:ひとまずポケモンである彼らにも「意識というものは存在する」前提とする。

*2:目が3つの生物(ムカシトカゲ)の場合、3つめの目は明るさを測るだけの存在で、ほかの2つの目とは役割が違うのが実際らしいが、まあ良い

*3:ポケモンの「進化」は世代を経て生じる遺伝的変化ではなく同一個体の形態変化のため、正確には「変態」と呼ぶのが正しい説はあるが、ここでは特に触れない

*4:他バージョンのポケモンずかんを見る限り、増えた目も感覚器官としての役割をしっかり果たしているようだ

*5:意識が脳にあることが前提ではあるけど

*6:人間の右脳左脳と同じ関係がドードリオの分裂した頭それぞれの脳にも言えるかどうかはわからないが、よくわからないのでそのまま扱う

*7:ちなみに同じようなポケモンにダグトリオとレアコイルがいるが、レアコイルの場合はポケモンずかんに明確に「複数のコイルが連結している」と記載されているため、「私」の問題は発生しない。ダグトリオは「もともとひとつの身体から三つ子になった」という意味の分からない記載があり、ドードリオよりもさらに複雑な問題である可能性がある。