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「メガネ男子の歴史」を学ぶ、3331熱中教室(2015冬)に行ってきた(1)

つくった > セミナー

以前参加した「3331熱中教室」の第2回の案内が来たので参加してみました。

3331熱中教室とは?

メディアアーティストの八谷和彦さんが主催するイベント。『「なるほど、わからん」を楽しもう。』をテーマに、様々なジャンルの第一線を走る方々による専門性あふれた話を聞いて、わかるようなわからんような気分になるイベントです。ちなみに前回参加したときは、伊藤剛さんによる「マンガ」の話(こっちは割とわかって面白かった)と、早野龍吾さんによる「反物質」の話(こっちは本当に何もわからんかった)を聞いてきました。

募集はPeatixでやってました。

前回に引き続き、今回も場所はアーツ千代田3331。2日間にわたって計6つの授業が開催。そのうちの1日目の2つに参加して参りました。

アーツ千代田3331

千代田区末広町の元々小学校だったのを改装して、ギャラリーやシェアオフィス、ショップなどが入っている総合アートスペース。全体的な小学校感は残しながら各教室ではいろんな人がいろんなことにいそしんでいる、なかなか良さげな場所です。

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アーツ千代田3331正面。見た目ふつうに小学校。

授業「メガネ男子の歴史と今 〜日本人編」

土曜日の15時に会場に到着し、まず一つ目の授業。お菓子研究家の福田里香さんによるメガネ男子論。なぜお菓子研究家がメガネ男子?というのは気になりますが、単に副業というか趣味でメガネ男子に萌えてしまうとのこと。メガネ男子というアイコンが持つ意味とそのルーツを聞きました。

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教室の様子。椅子と机が懐かしい。

もともとメガネはネガティブイメージの象徴だった

そもそもメガネをかけている時点で「自分は目が悪い」、つまり目が弱点であることを相手に伝えており、しかもそれを顔面無防備にさらしているというのが眼鏡の特徴。そのためか、メガネはネガティブイメージが強かったといいます。
そして、メガネが多いであろう日本人に対して、「日本人=メガネ」というイメージがプロバガンダとして、特に戦中に植え付けられていったとの話でした。

「メガネ=おしゃれ」が出てきたのは戦後のアイビースタイル

そんなメガネがおしゃれアイテムとして登場したのがアイビースタイル。1965年、「Take Ivy」という写真集によってアイビースタイルが日本に伝えられ、若者の間に「カジュアル」という概念が流行りだしていったのだとか。そしてそれが1970年代、陸奥A子という漫画家の「こんぺい荘のフランソワ」という漫画で、「メインキャラのイケメンがメガネ」という、いわゆる「メガネ男子」が登場したのでした。

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陸奥A子 『こんぺい荘のフランソワ』参照元

メガネ男子の隆盛

この「こんぺい荘のフランソワ」が当時、女子小学生に人気があったことから、彼女らの成長に伴いメガネ男子ブームが勃発していったらしいです。その後、東大に少女漫画研究会ができるなど、一つの文化として確立されていきます。時代は飛びますが2004年にサービスを開始したSNSmixi内のコミュニティにおいて、○○男子と名がつくもので初めにできたのはメガネ男子コミュニティだったそうです。(ちなみに「草食系男子」という言葉が生まれたのは2006年に出版された「マーケティング図鑑」という書籍だそうです)

現在は漫画でもメガネ男子が出ない漫画の方が珍しくなってきており、その位置づけはだいたい「知的」だったり「イケメン」だったりで、昔そうであったようないわゆる「どんくさい」「間抜け」みたいなイメージはもはやのび太君くらいなものであります。

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イケメンメガネ男子代表例。参照元

いまではメガネの影まで描かれるくらいにメガネ自体の存在感も高まっており、2013年の宮崎駿アニメ「風立ちぬ」ではメガネ男子萌えにはたまらないメガネ描写がされていたそうです。

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風立ちぬより。影の描写、レンズのゆがみでダブった目など、メガネ男子描写の最高峰といっても過言ではないらしい。参照元

というのが、戦前から今に至るまでのメガネ男子のルーツと隆盛だそうです。

授業を受けてみて

先生の趣味全開の授業ではあったものの、非常に面白かったです。もともとネガティブなイメージであったものが、西洋からの価値観輸入によりいつの間にかポジティブなものに変わっている、その様子が要所要所で分かる、興味深い内容でした。

一介のメガネ男子としては、メガネの形状に関する話とかも聞きたかったですが、先生によるとそれは単なる流行であるとのこと。今でも丸メガネ、細メガネなどに対する、みんなが漠然と持っているイメージというのはあるとは思うのですが、単に流行と切り捨ててもよいものか、というところは気になりました。圧倒的にメガネがアイコンとなるのは丸メガネの場合だと思うのです。(メガネかけた建築家、というと大概の人は真っ先にコルビュジェが思い浮かぶんじゃないでしょうか)

とはいえ、こういったカルチャーを歴史とともに紐解いていくのは非常に爽快なものなので、今後もこういう授業は積極的に聞いていきたいです。